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女性管理職比率の間違い

執筆者の写真: 林明文
林明文
10月5日
読了時間: 4分

女性管理職比率を考える

 男女雇用機会均等という観点で、より多くの女性がより多くの重い重職を担っていくことは大変重要な経営スタンスである。もっと単純に言うと、女性の課長が増え、部長が増え、取締役が増えるということであり、雇用機会均等とともに女性という新たな視点が強まることにより、企業価値も上がることが理想である。

 管理職の中で女性が占める割合を女性管理職比率という。この比率が上がっていくことが望ましいと考えられている。この考え方は、大変重要な社会的、経営的スタンスでありこれからも堅持をすべきだと考える。大学卒業者の男女比率がほぼ同率の50%で、ほぼ同率ある以上、女性管理職比率は将来的には50%が望ましいのだろう。

 しかし、女性管理職を誕生させるためには、子育てと家事の問題を解決しなければならない。現在の男性の育休取得状況や家事負担では、相当タフな女性でなければ女性管理職にはなれないだろう。まず育児に関しては意識が変わりつつあるが、それ以上に負担なのは家事である。これを半分ずつ、男女が分担をするという指導をしている会社は、ほぼないだろう。現在の管理職や経営陣は、家事を半分やってきたとはとても考えられない。しかし経営陣は、これからの社員に対しては、家事を半分ずつやるのが当たり前だということを刷り込まなければならないのだ。これをやらなければ、女性管理職比率は上昇しないだろう。そこまで言っている経営者はいないだろう。人事も充分に認識をしていない。女性管理職比率を上げるためのベースを認識していないのだ。


性別総合職内管理職比率

 現在の日本の一般的な認識は、10年後に女性管理職比率30%という目標を掲げている。この数字自体の論拠が明確でないのでよく理解ができないが、他国と比較をした場合になんとか同じようなレベルと見える最低の比率という認識ではないだろうか。

 性別総合職内管理職比率という言葉は、はじめて聞く人が多いだろう。この比率というのは女性管理職比率とは異なる。管理職になる対象者は、企業の採用で総合職、いや幹部職としての採用者が対象となる。中途採用の問題を議論するとややこしくなるため、ここではあくまでもプロパー社員を前提とした議論にする。仮に、総合職が男性7割、女性3割であった場合には、同じ育成、平等な配置、育児休業の男女半分ずつの負担、家事も同様といった条件が揃えば、35年後ぐらいになれば女性管理職比率は30%になっているだろう。しかし、先ほどの条件が一つでも損なわれれば女性の昇格が遅れ、退職をする者も出てくる。そうなると、35年後の管理職比率は、男性85%女性15%となってもおかしくない。問題は何かというと、総合職として採用した人数プラス管理職の中で管理職の比率が何パーセントであるかを男女別に指標化するということだ。

 この性別総合職内管理職比率は、男性と女性で本来は同じでなくてはならない。そうでなければ、上記のような状況で管理職の性別差が生まれてしまうということだ。男女同じように扱い、今までの女性に対する負担を減らすことによって、女性管理職比率は上がる。そのためには、性別総合職内管理職比率が欠かせない重要指標だということを改めて認識しなければならない。


女性の負担の減少

 女性総合職が、順調に育ち、女性管理職になっていくことが望ましい。しかし、キャリアが伸びている時と同時に、出産の適齢期でもある。少子化を防ぐためには、2人以上の子どもを持つことが必須だ。これはキャリアという観点から見ると25歳から35歳ぐらいまでの間に、2人から3人の子供を出産するということだ。女性には、必ず出産という大変な負担と喜びがある。出産前も家事は半分ずつ行う、出産後は更に育休取得日数が同じになるような分担にする。これをしなければ、男女の差は埋まらない。

 しかし、このようなカップルは、仕事も家事も育児も極めて大きな負担がある。この負担軽減を何かしらの方法でサポートをすることが、企業にとっても、本人にとっても、大きなプラスになるはずだ。核家族化が進行することにより、昔のように親や近隣の住民による共助という機能がなくなった。この共助的機能を企業が何かしらの形で提供することが、さらなる進化になるのではないか。

 一度も家事をやったことのない、育休をとったことがない経営者や部長などが、このような考え方を徹底して理解して日常からそういう指導を行わなければならないというのが現実だ。このマインドチェンジが出来るか否かが重要であり、細かな制度のあり方などは次の段階の話ではないだろうか。


*YouTube番組人事データ解説「女性管理職比率」を参考に執筆

 
 
 

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