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企業が求める人材像

  • 執筆者の写真: 林明文
    林明文
  • 3月20日
  • 読了時間: 4分

更新日:3月27日


企業が求める人材像の実際

企業はその理念や価値を定義し、それに従ってビジネスを行っている。理念や価値を具現化するためには、経営の諸機能がその理念、価値を意識し、それを具体的な業務を設計し、そして社員に十分な理解をさせることが必要だ。そしてこのような業務の定義と同時に自社の求める人材像を定義することも多く見受けられる。求める人材像はその企業で理想とされる人材を描写するものであり、全社員共通に作られる事が圧倒的に多い。そしてこの人材像なるものは、定義しない会社もあれば、非常に簡単に定義をする会社もあれば、詳細に定義する会社があるどれを見ても実にきれいな言葉で書かれている。

 ひとつの企業には様々な職種の人たちがいる。また職場もさまざまで、アグレッシブな営業部隊もあり、ミスなく正確な仕事をしなければならない管理部門などもある。商品開発、研究開発の人は仕事のスタイルが人によって異なる。このように実に多い職種や職場の集合体になっている企業で、企業が求める人材像というのはどのレベルで作るのか、果ては本当に必要なのだろうかと考えてしまうことがある。しかし経営者や人事は人材像の議論が好きだ。


人材像の定義のレベル

 企業が求める人材像にはさまざまな描写の仕方がある。非常にシンプルであるのはビジネスマンとして持たなければならない。またその会社共通として持たなければならない考え方や行動が記述されているものだ。例えば「常に誠実に働く」「協調性を重視し、良い職場を作る」「常に顧客を意識する」といったレベルだ。これであれば企業が求める人材像を全社員が共有できることになるだろう。しかしもっと踏み込んで細かい定義をしたがる経営者もいる。世の中の変化が激しいので「常に先を読み行動する」「自らが率先して課題を見つけ、前例にとらわれずに解決する」「過去の古い考え方は捨て常に改革に挑む姿勢をもつ」少し踏み込むとこんなような感じであろう。この踏込は全社員に当てはまらない。確かに会社全体としてはこのような姿勢を持たなければならないのかもしれないが、全ての職種全ての職場がこのような考え方で行動できるだろうか。逆に業務が持つ本来的な姿勢と反するような内容も含まれる。少し踏み込むだけでもこのような現実とのギャップが出てくる。


さらに踏み込むと…

 さらに踏み込むとかなり細かい行動やマインドまで言及することになる。以前自律型人材という言葉が流行った。自律事実型人材とは「指示を待つのではなく自らの意思で考え能動的に業務を遂行する」というものだ。この人材は自分から行動し責任を持って行動し、仕事に自分らしさを反映するとまで定義をしている会社もあれば、さらに踏み込んだより理想的な人材像を定義する企業もある。しかし次第に自律型人材は言葉として流通しなくなった。雇用されているさまざまな社員の中でこのような社員は極めて少なく、業務の実態に合ってないからである。また本当にこのような定義の人材であれば自分で起業するだろう。

 経営者は経営戦略、計画を考えそれを効率的効果的に実践する指揮をする人材だ。自律型人材などの虚像を作り、頼る気持ちはわからないでもないが、人物像を定義するのは経営者の仕事ではない。望ましい人物像というのはその独自の経営戦略、経営計画、業務遂行から自然に出てくるものであり、先に決めるべきものではない。経営者は経営のプロであり、言葉遊びの結果出てくる、夢のような人材を定義することは求められていない。よく人事制度の設計の時に会社が求める人材像ということに非常にこだわる経営者がいる。しかし人事は一つの学問領域であり正確な言葉、正確な理論で制度を作るべきである。人物像に時間をかけても決してよいアウトプットが出ない。経営者は経営のプロであって哲学者ではないのだ。


*YouTube番組 Dig Deep人事「企業が求める人材像」を参考に執筆

 
 
 

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